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ココウェル辞典(基本情報)
ココナッツとは?
ココナッツとはココヤシの果実で、日本ではヤシの実やココナツと呼ばれることもあります。
ヤシ類は人類が誕生するよりももっと前の1億2000万年前の白亜紀に発生したと言われていて、全部で3000種類以上ある中の一つが「ココヤシ」(学名:Cocos nucifera)です。
Q. ココナッツとヤシの実の違いは??
A. 厳密にはヤシの実というと様々なヤシ科の植物の実を指しますが、最も代表的なヤシ科の植物
がココナッツのため、一般的にヤシの実と呼ばれるものはココナッツの実を指すことが多いです。
生育条件と生育地域
ココヤシは常緑高木で、アジアや太平洋、アフリカ西海岸、中米や南米などの熱帯・亜熱帯の開発途上国に多く分布しています。赤道を挟んで南北25°のココヤシがよく育つ地域が「ココナッツベルト」(下図赤ライン)と呼ばれています。
良質なココナッツが育つ条件
沖縄は台風が多いので日照時間が少ないのです。
このように日本の一番南に位置する沖縄でも条件が揃わないので、日本でココヤシを育てるのは難しいのです。
沖縄県と比較すると…
ココヤシの生育には農薬や化学肥料を使う必要がありません。地中のミネラルを養分として成長するためです。海水を好むので、通常の植物が塩害で育たない沿岸部でも生育することができ、内陸地のココヤシには肥料の代わりに塩をまくこともあります。適度な塩分はココヤシの成長を促し、雨量が少ない時は保水性を高める役割をします。苗を植えてから約6~8年で実をつけ、その後約70~80年程収穫できます。
またココヤシは自然や生態系に優しい植物です。背が高く適度な日陰になることや、根が幹周辺に集中して横に広がらないことから他の植物の邪魔をしないため、他の植物と共生することが可能です。
ココヤシの下では、バナナやマンゴーといった果物や、コーヒーやカカオなどのマメ科の樹木、キャッサバやサツマイモ、かぼちゃなどの野菜やハーブなどの栽培をすることができます。また、ココナッツ林の中では鶏などの家禽の飼育や、牛や山羊などの家畜も同時に行うことができ、土地を有効に利用した生産システムを作ることができます。
また温暖化による海面上昇の被害が懸念される地域でもココヤシは塩害の影響を受けないため、貴重な食糧源として期待されています。
世界からみたココナッツランキング
● ココナッツ産出量
※国連食糧農業機関2019● ココナッツオイル生産量
※アメリカ農務省2019● ココナッツオイル消費量
※アメリカ農務省2019● ココナッツオイル輸出量
※アメリカ農務省2019ココナッツの品種について
フィリピンでは一般に「Tall(背が高い品種)」と「Dwarf(背が低い品種)」の2つの品種に分けられます。
Tallが原種で、Dwarfは品種改良によって背が低くされたもので、木に登るのが楽なので花蜜を集めるのに適しています。
またTallとDwarfを掛け合わせた品種も数多くあり、「Malayan Red Dwarf × BAYBAY TALL」など、地名などの名前が付けられています。
ココナッツには突然変異の品種があり、「Macapuno(マカプノ)」と呼ばれます。
実の外見は同じですが、割ると中身が柔らかいゼリー状の果肉で覆われています。
通常、マカプノが存在する木のうち、10%ほどの実がそのようなゼリー状の果肉で覆われています。
ココナッツは、世界的に400種類ほどの品種があると言われています。
例えば「Aromatic」という香りの強いものや、「GoldenCoconut」という色が黄色いものもあります。
ココヤシが「生命の木」と言われている理由
「ココヤシの木があれば、家族が一生食べていける」と言われるほど生産性が高く、熱帯の人々にとっては日常生活を支える重要な植物だからです。木も葉も実も全てが捨てるところなく活用されて利用価値の高い植物です。