MCTオイルを摂取することで、肥満や2型糖尿病の予防・改善につながる可能性がある、という研究結果が先日発表されました。
発表したのは京都大学の研究グループです。
大まかに言うと・・・
MCTオイルを摂取する
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MCTオイルに含まれる中鎖脂肪酸がGPR84と結合し、GPR84が活性化する
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GPR84を介して分泌されたGLP-1の働きでインスリン分泌を促し、血糖値を下げる
というものです。
MCTオイルの中でもカプリン酸(C10)が、中鎖脂肪酸の受容体であるGPR84を介して腸管ホルモンGLP-1を分泌させ、血糖の上昇を抑制することが明らかになりました。
「受容体(じゅようたい・レセプター)」とは・・・
何かにくっつくことで働くたんぱく質のことです。「リガンド」と呼ばれる分子が結合することで、別の細胞などに指令を出すというイメージです。
受容体とリガンドには特定の組み合わせがあり、これは例えると鍵と鍵穴のような関係です。
GPR84は中鎖脂肪酸との組み合わせのみで活性化される受容体ですが、これまでどのような機能があるのか正確にはわかりませんでした。
GLP-1は食事後の血糖値上昇に伴い分泌される消化管ホルモンです。
膵臓にある受容体に作用することで、インスリン分泌を促し、血糖値を下げる働きをします。
食べ過ぎや、高脂肪(牛脂やラードなど)の食事をすることによる肝機能の低下に対して、中鎖脂肪酸と結合したGPR84が肝機能を保護するというものです。
肥満により誘発される脂肪肝には、「単純性脂肪肝」と「非アルコール性脂肪肝炎」が含まれます。
このうち「非アルコール性脂肪肝炎」は肝臓への脂肪蓄積のみならず、肝臓の炎症や線維化を引き起こし、肝硬変や肝臓がんに進展することが知られています。
◆MCTオイルを摂りましょう!
肝臓を過剰に働かせない方法の一つに、「糖質制限」があります。
これは単純に「糖質を全く摂らない」ということではありません。
普段多く摂りすぎている人は1/2~1/3まで減らす、という工夫をしていく食事法です。
また、「カーボラスト」(糖質を多く含むものを最後に食べる)という食べ方を心がけることも大切です。
そして、糖質を減らす代わりにMCTオイルを多く摂取します。
糖質の代わりにエネルギー源となるため、「頭がぼーっとする」「体力が落ちる」ということがありません。
空腹感も抑えられるため、まさに必須アイテムなのです!
この習慣を続けることで肝臓を休めることができるため、糖尿病リスクを減らせることが期待できます。
糖尿病は発症すると薬の服用や定期的な注射が必要になったりと、多くの制限が出てきてしまいます。
普段の食事からできる予防策、ぜひ取り入れてみてください!