油への関心が高まり、最近ではさまざまな種類の植物油が売られているのを目にするようになりました。油は摂り方ひとつで心や体の健康状態を大きく変えることができます。今回はそんな重要な役割を果たす「脂質」についてお話しします。
<脂質にしかできない役割>
三大栄養素の一つである「脂質」には
エネルギー源になる
生体調節物質(ホルモン)の材料になる
細胞膜や核膜を作る
といった役割があります。特に生体調整物質や細胞膜・核膜の材料になれるのは脂質にしかできない役割です。
<体を構成する「細胞」は脂質でできている>
体は約60~100兆個もの、さまざまな細胞でつくられています。
この一つ一つの細胞がいかに元気かがとても重要で、私たちの健康に大きく関わっています。
生命を維持するために、毎日約15兆個の細胞が死に、新しい細胞が生まれています。すべての細胞には核と細胞質があり、それらは「細胞膜」と呼ばれる脂質で組成された膜で覆われています。
この細胞膜は、「リン脂質」と呼ばれるものが二重の層になって作られています。リン脂質にどんな脂肪酸が配置されるかによって、細胞膜の働きが異なってくるため、体にとって必要なオイルを適切に選ぶ必要があるのです。
<細胞膜の役割>
細胞膜には「ウイルスが細胞内に入るのを防ぐ」「特定の場所から栄養素を取り込む判断をする」「老廃物の排出」などとても重要な役割があります。
<原料は脂質!主な体の部位>
<脂肪酸の種類>
●オメガ3系
α‐リノレン酸はオメガ3系の一種類で、体内でDHAやEPAに変わり、アレルギー抑制・脳の活性化・血中の中性脂肪値を下げるなどの効果があります。青魚にはDHAやEPAが多く含まれていますが、魚を食べることが少なくなった現代人には積極的に摂りたい油です。
●オメガ6系
リノール酸はオメガ6系の一種類で、必須脂肪酸です。子供の発育には欠かせない油で、血中のコレステロールを一時的に下げる働きがありますが、摂りすぎるとアラキドン酸に変わりアレルギー症状を悪化させる原因のひとつになると考えられています。一般的な加工食品にはオメガ6系の油脂が多く使われているので、現代人は摂り過ぎの傾向があります。
●オメガ9系
オレイン酸はオメガ9系の一種類です。動脈硬化、高血圧、心疾患などの生活習慣病を予防したり、血中の悪玉コレステロールを減らす働きもあり、便秘解消にも効果があると言われています。
●中鎖脂肪酸
中鎖脂肪酸は植物ではココヤシやパームヤシなどの胚乳のみに含まれる脂肪酸です。体内に吸収されやすく、すぐにエネルギーになります。また、ケトン体という物質に変換され脳のエネルギー源になることが近年の研究で明らかにされています。母乳にも含まれるラウリン酸も多く含み、免疫力の向上にも効果的です。
(スタッフ:すずき)
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