「MCT(中鎖脂肪酸)」と「ケトン体」知って広がる!ココナッツ豆知識
ココナッツオイルに多く含まれるMCT(中鎖脂肪酸)は、他の植物油に含まれる長鎖脂肪酸と比較して消化・吸収が早く、エネルギーになりやすいという特長があります。また、MCTを摂取することで「ケトン体」という、ブドウ糖に代わるエネルギー源に変換されやすくなります。
ケトン体は効率的に脳のエネルギーになることや、若返り遺伝子とも言われる「サーチュイン遺伝子」を活性化させることで注目されています。今回はブドウ糖に代わる第二のエネルギー源「ケトン体」と、ケトン体を効率良く体内で生成してくれる「MCT」について解説していきます。
拮抗する2つの
エネルギー代謝回路
私たちヒトが日々活動するためのエネルギーを体内で生み出すには、ブドウ糖からグリコーゲンへと分解される「糖質回路」と、脂肪からケトン体が作られる「ケトン体回路」の2通りの方法があります。
お米やパン、パスタなどの炭水化物(糖質)を摂ると、糖質回路が働きエネルギーを作ります。糖質の過剰摂取でエネルギーとして使われずに余ったグリコーゲンは、中性脂肪として蓄積されます。
一方で糖質を制限すると、ケトン体回路が優勢になり糖質の代わりに脂肪からケトン体を作られます。このように2つの回路は拮抗し合っています。
脳のエネルギー
通常、脳はブドウ糖をエネルギー源として利用していますが(糖質回路)、老化の進行や疾病が原因でインスリン抵抗性(インスリンが効かない状態)を起こし、ブドウ糖を上手く使えなくなることがあります。
エネルギーが届かなくなった脳細胞では、記憶情報の取り出しがスムーズにできなくなり、記憶力の低下なども起こりやすくなります。 一方、ヒトのもう1つのエネルギー源であるケトン体は、直接脳のエネルギーとして働くことがわかっています。
ケトン体は体内に蓄積された脂肪や食事から摂取する脂質から作られますが、ケトン体回路は糖質回路と拮抗し合っているため、ケトン体生成のためには糖質制限が有効な方法です。
しかし、MCT(中鎖脂肪酸)を摂取することである程度糖質を摂取していてもケトン体が生成することがわかっています。
ケトン体によるその他のメリット
「サーチュイン遺伝子」
糖質制限や断食でケトン体が作られた時、サーチュイン遺伝子と呼ばれる遺伝子のスイッチがONになります。
サーチュイン遺伝子は、細胞内でエネルギー源を作り出す小器官である「ミトコンドリア」を増やし、細胞内の異常なたんぱく質や古くなったミトコンドリアを除去することで、新しく生まれ変わらせる「オートファジー」という機構を働かせてくれます。
このサーチュイン遺伝子は長寿遺伝子や若返り遺伝子とも言われ、老化の原因といわれる活性酸素の発生を抑制し、免疫細胞の暴走を食い止める機能をもつとも言われています。
血中ケトン体レベルの比較
ココナッツオイルと中鎖脂肪酸100%のMCTオイルでは、血中ケトン体レベルがピークになる時間と血中ケトン体の存在時間が異なります。
一般的にラウリン酸(C12)が優位のココナッツオイルがピークになる時間が3時間前後なのに対して、カプリル酸(C8)、カプリン酸(C10)のみを含む100%MCTオイルの場合は半分程度の時間でピークに達します。
ただし、血中ケトン体レベルが元に戻るのも、ココナッツオイルの場合は7〜8時間であるのに対して、100%MCTオイルの場合は早く、半分程度の3時間ほどとおよそ半分の時間になります。
カプリル酸(C8)とカプリン酸(C10)は素早くケトン体を生成する働きがあるのに対して、ラウリン酸(C12)はゆっくりとケトン体を生成します。
ラウリン酸が入ったMCTオイル
カプリル酸(C8)とカプリン酸(C10)が優位のMCTオイルと、ラウリン酸(C12)が優位のココナッツオイルを組み合わせて摂取することで、素早く持
続的にケトン体を生成することができます。
※こちらの情報は、2021年2月時点の情報になります。
最新の情報は、各商品情報をご確認ください。
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まとめ
ココナッツオイルはMCTを多く含み、良質なエネルギーを美味しく摂り入れることができるオイルです。スポーツや医療現場をはじめこれからも様々な分野で注目されるでしょう。
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