フィリピンの人口問題
純オーガニックコットンの”メイドインアース”前田社長、愛犬の無添加オーガニック食品やケア用品の”ecodog”戸松社長、シリアの伝統的なオリーブ石鹸”アレッポの石鹸”太田社長と一緒にClubhouse内で「オーガニック&サステナブルトーク〜エシカル社長たちのフリーな語らい」というタイトルで毎週月曜日と木曜日の19:55からお話しさせていただいてます。
その中で「フィリピンの社会問題とココナッツができること」というテーマで先日お話しさせていただきましたが、その内容を少しまとめてブログにも書いていきたいと思います。
まずはフィリピンの人口問題について纏めてみました。
フィリピンの人口は2021年現在の最新の統計で111,046,910人。今年に入り1億1,000万人を超えました。2000年時点の人口がおよそ7,600万人なので、この20年の間で3,500万人も増加していることになります。このまま増え続けると2025年~2030年の間には日本の人口を抜くと予想されています。
そして何よりフィリピンの平均年齢は24歳(男性23.1歳、女性24歳)ととても若く(ちなみに日本は46歳)、15〜64歳の生産年齢人口の割合が高く、今後も人口ボーナスは続くと考えられますが、人口増加が続く中でやはりいくつかの問題が出てきます。
一つは子供の数が増加していることによって、学校の教室が足りなくなっています。マニラ首都圏やセブなどの都市部では、子供を午前、午後の1日2交代制やひどいところでは3交代制になっているところもあります。
※フィリピンの義務教育は幼稚園1年 – 小学校6年 – 高校6年(最初の4年をジュニアハイスクールと呼ぶ)の合計13年で通常は5歳から17歳まで。ただし日本のように年齢主義ではなく過程主義のため、10歳でも最初は幼稚園から通う必要がある。新学期は6月から始まる。
また、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによるロックダウンで、15歳から49歳の女性の意図しない妊娠が40%以上増加したとも言われており、コロナ禍で出生数が大幅に増えたようです。元々、国教であるキリスト教の影響で中絶ができません。2012年にリプロダクティブ・ヘルス(RH)法ができるまでは避妊もできない状況だったようです。
二つ目の問題は交通渋滞です。特にマニラでは交通渋滞があまりにもひどいため、ナンバーコーディング・システムが採用されていますが、2019年9月にアジア開発銀行が発表した資料では、アジア諸国278都市の中でマニラ首都圏が最も交通渋滞が深刻な都市として選定されました。渋滞による経済的損失が1日50億円とも言われています。
三つ目は海外就労者が多いということ。世界最大の労働力輸出国と言われ、国民の1/10が海外で働いています。これは国内に産業が少ないことと、やはり賃金水準が低いことが原因です。国内総生産(GDP)のおよそ1割に相当する海外からの送金が国内の消費市場を活性化し、フィリピン経済を支えています。表に出ない実際の送金額はもっと多いと言われています。
※ビザ取得の難易度が低いため、中東地域でメイドや建設作業員などのブルーカラーとして働く人が最も多いようです。
これらの問題はコロナ禍で状況が変わっていますが、根本的な問題解決には至っていません。コロナ後にはより深刻な問題として表に出てくるのではないかと思われます。