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フィリピンの公用語はタガログ語と英語ですが、どちらも文字はアルファベットが使用されています。昨日の日本経済新聞の記事で知ったのですが、最近は古代文字の「バイバイン」が復権の兆しがあると言います。

「バイバイン」とは、16世紀にフィリピンがスペインによって植民地化される以前に首都マニラ周辺のタガログ族で使われていた文字です。当時はほとんどの人が読み書きの能力を持っていたと言われています。

マゼランが1521年にフィリピンに来航してスペイン語が持ち込まれると、タガログ語にもラテン文字のアルファベットが使われるようになり、次第にバイバインは廃れていき、今ではほとんと読み書きできる人はいません。

しかし、最近になってバイバインの復権を目指す動きがあるようで、2019年1月にフィリピン下院では政府省庁などのロゴに使うよう推奨する法案が全会一致で可決しました。上院では審議されずに廃案となったものの、その存在が注目されるようになりました。

マニラの高架鉄道では1年間、文化活動の一環で車両の窓ガラスにバイバインの一覧表が掲示されたり、マニラ市は地下道の再整備の際に「国立博物館」などの表記を英語とバイバインで設置したりと、国民の間でも話題になっているようです。

フィリピンでは2019年2月にドゥテルテ大統領が「フィリピンの国名はスペインのフェリペ皇太子にちなんで名付けられたが、いつかは変えてもいいのではないか。」「かつてマルコス大統領が国名を『マハルリカ共和国』に変更しようとしたのは正しかった」などと発言したことでも話題になりました。

国名の変更や古代文字バイバインが話題になるのも、愛国心を強めて国家の自立を促そうとする力が働いているのでしょう。