ココナッツ専門店ココウェル

yahoo!ニュースで「ナタデココが90年代の大ブーム後も「定番」として生き残った理由」という内容の記事が掲載されていました。ナタデココが生き残っていると言えるのかどうかは別にして、30年近く前のブームを振り返ってみたいと思います。

https://news.yahoo.co.jp/articles/551ce0c83b3bbad88c269c9e4ac5f295201d7651

ナタデココはココナッツウォーターやココナッツミルクを酢酸菌の一種(現地ではナタ菌と呼ばれます)で培養してゲル状にしたものです。ココナッツウォーターで作ると透明なナタデココになり、ココナッツミルクで作ると白いナタデココになります。

記事によると1970年代からデルモンテがフルーツ缶に利用していたそうですが、当時はほとんど認知されていませんでした。ブームになったきっかけは、1992年7月にデニーズで「ココナツから生まれた新しい口あたりのゼリーをヨーグルトで仕上げたヘルシーデザート」としてメニューに加えたことです。ティラミスに代わるスイーツとして、メディアで紹介されたことがきっかけで大ブームとなりました。記事にもある通り、甘さ控えめ、豊富な食物繊維、ノンカロリーという健康面でも注目された一因です。

ブームによって、フィリピン側の製造も間に合わなくなり政府も奨励したこともあり、別の食品工場がナタデココの生産を始めたり、自宅の庭で作り始める人たちも出てきます。確かに記事に「ナタデココ成り金」あるように、一部の人はナタデココブームでこれまでにない大金を手に入れた人もいるようです。

しかし、実際のところブームは半年で終焉を迎えました。現地の人に聞くと、自宅の庭でも作り始めたため品質管理が十分にできておらず、粗悪なナタデココが増えたことも原因の一つだったようです。その後、設備投資をしたのが無駄になった人や、仕事口を失った人が増えて、フィリピンでは社会問題になったと言います。

記事ではナタデココが定番になったと書かれています。確かに今でもフジッコなどがナタデココのデザートを販売していますが、現在フジッコは国内製造をしているため、フィリピン産のナタデココはほとんど日本に輸入されていません。

昨年、日本でタピオカがブームになりましたが、ナタデココは糖質もほぼゼロで食物繊維も豊富で、よりヘルシーなデザートなので、今後改めて注目される日が来るかもしれません。