ココウェルのリップやソープにもある「サンパギータ」の香り。
サンパギータとはジャスミンの一種で、モクセイ科の常緑半蔓性灌木です。0.5~3m程の高さまで育ち、夏に綺麗な白い小さな花を咲かせます。
日本では、茉莉花(マツリカ)、アラビアジャスミン(Jasminum sambac)、と言われています。
香りが強く、甘い優雅なフローラル系の香りが特徴です。インドネシア・マレー語ではmelati(ムラティ)、ヒンディー語はmogra(モグラ)ハワイ語ではpikake, pikaki(ピカケ / 孔雀)と呼ばれています。
フィリピンでは、国賓を迎える際のレイに使われていて、フィリピンの国花になっています。(日本の国花は桜ですね。)
フィリピンのサンパギータの産地としては、マニラの南郊、ラグナ州サン・ペドロ町が有名です。
サンパギータの由来
まだフィリピンがスペイン統治前の昔々のお話。
今のマニラ近郊には対立する2つの集落がありました。
片方の領主の娘ロジータはそれはそれはとても美しく、たくさんの男性が求婚しましたが、誰もロジータの心を射止めることはできませんでした。
そんな中、唯一彼女の心を射止めた男性が現れました。
しかし悲しいことに、彼は対立する領主の息子デルフィンだったのです。
集落の境は頑丈な柵で隔てられ、簡単に会うことはできませんでしたが、2人は満月の夜ごとに密かに会い、愛を育みました。
やがて時が進み、ささいなことから集落同士は戦闘状態に陥ってしまい、デルフィンは命を落とします。息を引き取る間際に、「ロジータといつも会っていた場所に埋葬するように」との遺言を残しました。その後デルフィンの死を知ったロジータは悲しみのあまり病に倒れ、後を追うように亡くなりました。
そしてロジータの亡骸はデルフィンの横に埋葬されました。
長い年月を経て、いつの間にか集落もなくなった頃、2人が埋葬された場所に他の花とは違うとても良い香りの、白く小さな花が咲いているのが見つかります。そして毎年5月の満月の夜に、若い女性の声で「Sumpa Kita!Sumpa Kita!(誓います。私は愛を誓います。)」と聞こえてくるようになりました。この話はまたたく間にフィリピン中に伝わり、ロジータがデルフィンに白い花を通じて愛を伝えた「Sumpa Kita」がそのまま花の名前、「Sumpaguita」(サンパギータ)と呼ばれるようになったと言われています。
そしてサンパギータの花言葉は「永遠の愛を誓う」です。サンパギータの由来を知った後に花言葉を聞くと、とても納得がいきますね。
サンパギータの精油はとても高価!
サンパギータの精油を作るためには香りが強くなる明け方に小さな白い花を大事にひとつずつ摘んでいくため、とても手間がかかります。
そして約8000もの花からたった1mlしか採れないため、とても稀少で高価なものになります。
精油の効能としては、心を落ち着かせるリラックス作用や精神安定、子宮強壮などの女性ホルモンのバランスを整える働きがあります。
フィリピンでは妊婦さんのマッサージにバージンココナッツオイルとサンパギータの精油を混ぜたものが使用されています。日本でもフィリピンに古くから伝わる伝統トリートメントの「ヒロット」をしているサロンなどではサンパギータの精油を使用しているところが数多くあります。
女性に嬉しい作用のあるサンパギータの精油ですが、女性だけでなくもちろん男性にもとても人気があります。初めて香りに触れた方はたいていサンパギータの香りに魅了されます。
またサンパギータの花言葉から、クリスマスやバレンタインの贈り物としても人気があります。
(スタッフ:すずき)