「世界ココナッツ大会」参加レポート
2018年8月14日〜16日の3日間、第1回世界ココナッツ大会(1stWorld Coconut Congress)がフィリピン・マニラで開催されました。
<ココナッツ産業の更なる発展に>
フィリピンのココナッツに関する政府機関であるココナッツ庁(Philippine Coconut Authority)はこれまでにも毎年8月にフィリピン国内のココナッツ産業振興を目的に「ココナッツフェスティバル」をマニラで開催し、様々な研究成果や農家支援の取り組みを発表していました。
今年からはフィリピンのココナッツ産業を取りまとめる業界団体であるフィリピンココナッツ協会(UCAP)が主導し、それをフィリピンの貿易政策を担う貿易産業省(DTI)とココナッツ庁が協力する形になり、名称も「世界ココナッツ大会」に変更されました。
当大会はココナッツに関わる世界中の人々を結びつけ、ココナッツ産業を更に発展させることが目的です。世界第1位のココナッツオイル輸出国であるフィリピンが先頭に立つことにより、世界中から研究者や医師、農園経営者、生産者、輸入者などが集まる大規模な大会となりました。
大会は展示エリアと発表会エリアに分かれ、展示エリアではフィリピン国内の生産者が作る様々なココナッツ製品が紹介されていました。ココナッツオイルやココナッツシュガー、ココナッツウォーターなどのおなじみの食品から、ココナッツの繊維で作られた玄関マットや椰子殼(やしがら)で作られた燃料用活性炭なども展示されていました。
<ココナッツオイルに関する研究成果を発表>
発表会エリアでは、多数の登壇者が30分ごとにスピーチを行いました。中でも「ドクター・ココナッツ」として世界的に知られている自然療法医、栄養士のブルース・ファイフ博士と、アルツハイマー病の夫の症状をココナッツオイルで改善し、論文を発表された医学博士のメアリー・ニューポート博士がアメリカから来られ、壇上で注目を集めました。
ブルース・ファイフ博士は、ココナッツオイルに豊富に含まれる中鎖脂肪酸の有用性について、効率的なエネルギー代謝や血糖値の安定など様々な例を挙げながら熱弁されました。
メアリー・ニューポート博士も夫の治療の経過について紹介しながら、中鎖脂肪酸を中心とした高脂肪・低炭水化物の食事がアルツハイマー病やパーキンソン病などの疾患の治療に有効であるという研究データを発表されていました。
その他にも、アフリカやヨーロッパなど様々な国の研究者がココナッツオイルや中鎖脂肪酸に関する研究成果を発表され、参加者を交えた活発な意見交換も行われました。中でも「ケトジェニック」についての言及が多かったのが印象的でした。
当大会では多くの学びを得ただけでなく、ココナッツに携わる世界中の人々とつながり、交流できたことがこれからのココウェルの活動にとって貴重な財産になると感じました。
<ココナッツ製品の市場とココナッツ農家>
ココナッツ製品の市場はここ数年で大きく拡大し、今後も世界的に広がることが予想されます。しかし一方でココナッツ農家が貧しいという現状は一向に改善されておらず、農家の高齢化や多発する自然災害も深刻な問題です。ココウェルは生産・流通に関わるだけではなく、根本を支えてくれているココナッツ農家の貧困問題解決に少しでも貢献しながらココナッツ製品の普及に貢献できればと思います。
(ブルース・ファイフ博士と夕食をご一緒に。)
(大会前日のココヤシ農園のバスツアーではメアリー・ニューポート博士と一緒にココナッツの収穫や殻割を体験。)