ココナッツ専門店ココウェル

COCONUTIST 2021 spring
ココウェルと考えるSDGs

ココウェルの始まりは、代表の水井がフィリピン留学で感じた環境と貧困問題がきっかけでした。SDGsは、世界中の誰もが幸せに暮らせる社会を考えていくために国連が提唱した17の国際目標です。ココウェルでは、関係する企業や団体のみなさんからお話をお聞ききし、これからやってくる未来を考えるために「ココウェルと考えるSDGs」をスタートします。

 

社会に一票を投じるSISAMのフェアトレードコーヒー
@フィリピン コーディリエラ

今回は、シサム工房の人見とも子さんに、途上国、先進国を繋ぐ問題に深く関係するフェアトレードや、環境問題にも関係するコーヒー豆の生産現場についてお話をお聞きしました。ココウェルカフェでも使わせていただいているフェアトレードコーヒーの販売元です。

 

インタビュー
有限会社シサム工房 取締役

人見 とも子さん

シサム工房は、1999年に京都で小さなフェアトレードショップとして始まりました。一人でも多くの方が、アジア6か国で作られた商品のストーリーを知り、フェアトレードと出会える場を作ろうと全国8店舗のお店を展開しています。

 

 

 


シサム工房の考えるフェアトレードとは?

シサム工房では、フェアトレードを「自立しようとしている生産者を継続的に支援できる仕組みがきちんとある貿易」と考えています。シサムとの取引の間に、必ず中立的で非営利の現地フェアトレードNGOに入ってもらうのはそのためです。 オーガニックや環境にいいというだけではなく、社会的背景も考え、現地に何度も足を運び、生産者と一緒に商品を育てています。大きな工場で量産するのではなく小さな生産者と品質を落とさず、あくまでも対等な立場でお互いの状況を思いやる関係性を保ちながら、長く事業を行っています。

 

 

なぜフィリピンのフェアトレードを?

フィリピンのバギオ市在住の日本人・反町眞理子さんと、環境保全に熱意のある先住民族たちによって2001年に創立されたNGO コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)が行っている「アグロフォレストリー(森林農法)※ による災害に強いコミュニティづくり」という事業があります。

 

この事業は2009年10月にルソン島北部を襲った台風ぺペンによって大きな被害を受けた、ベンゲット州トゥブライ町の小さな集落の復興プロジェクトとしてスタートしました。 このプロジェクトで栽培・生産されたコーヒー豆を取り扱うことにしたのは、森林破壊を食い止める画期的な農法を取り入れていること、山で自然と共に生きる先住民の人々の暮らしを支えていること、この地に住み広い視野をもってこのプロジェクトを進めている反町さんというキーパーソンに出会ったことなどによります。

 

 

 

現在、このコーヒー豆にはフェアトレード認証はついていません。それでも、シサム工房では、認証商品と同じようにコーヒー豆の買い付け量によってプレミアム(奨励金)を払っています。そのプレミアムによって、現地ではコーヒー豆をつくるための機械を購入したり、勉強会を開いたりできます。そのことによって、コーヒーの品質が良くなるだけでなく、生産者の人たちの暮らしを良くするためのお手伝いもさせてもらっているわけです。

 

(※)豆知識
アグロフォレストリー農法で栽培

農業(Agriculture)と林業(Forestry)を組み合わせた造語。 樹木を植え、森を伐採しないまま農業を行うことが特徴。「森林農業」とも呼ばれる。

 

生産地の環境から見たコーヒーの特徴

村の人々に必要な「現金収入」と「森の保全」が両立できるアグロフォレストリー農法で作っています。赤道に近く、2,000m級の山々が連なるコーディリエラ地方はとても好立地で、昼夜の寒暖差により旨みがギュッと凝縮された上質なコーヒーです。

 

 

コロナ禍の日本のフェアトレード事情はいかがですか?

新型コロナ感染拡大に伴い、ほぼ全ての生産者が厳しいロックダウンで何ヶ月も仕事をストップせざるを得ない状況が続きました。日本でも緊急事態宣言で思うように営業ができなかったフェアトレードショップさんが多い中、生産者を支えるため「販売店が元気にならなくては!」と、クラウドファンディングで資金を集め現地に次の注文ができる取り組み『フェアトレード未来チケットプロジェクト』を行いました。日本全国57店舗と有志のみなさんと協力して成功させることができました。コロナで厳しい状況は続きますが、フェアトレードショップの皆さんと元気を出して乗り越えたいと思います。

 

 

 

インタビューを終えて・・・

SDGsは、2030年までにひとりひとりが取り組むべき国際目標です。 人見さんからお話しを聞いて、お互いに助け合うことで困難に立ち向かえると感じました。そして、新しい関係ができていくことでゴールに向かっていけるのだと思います。

 


ココウェルカフェで作ったココナッツのお菓子とシサム工房さんで焙煎されて発売されているSISAM COFFEEのコラボ商品を発売します。詳しくはココウェルのオンラインサイトをご覧ください。

 

【information】
有限会社シサム工房
〒606-8221 京都府京都市左京区田中西樋之口町94-2
TEL: 075-724-5677
HP: https://sisam.jp
Mail: info@sisam.jp 

 

記事に関係するサイトをご紹介します(別サイト)

■コーヒー豆を栽培している
NGO コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)

■記事にの登場されたCGNの反町さんが書かれたシサム工房さんのブログ
フェアトレード コーヒー話